漫才の教科書をつくりたい

メインは、若手芸人が、その4分間に人生をかける、年に一度の祭典『M-1』に見出せる「おもろい」を分析していきます。

『M-1 2017』「和牛」決勝・1回目の考察

テーマはウェディングプランナーと大衆受けしやすい。

ボケを普通のことのようにさらっと言うため、ツッコミが際立つが、近代漫才の特長である「複雑な言い回し」「奇抜なワードセンス」は一切問われない。ストレートなツッコミが最大の武器となる。

この漫才の場合、ボケが重要視される。ワードで笑わせるのではなく、発想で笑わせる。どこかコメディ映画のような感じもする。

 

水田がボケの種を撒いて、別人格での水田とツッコミの川西が回収するという、高度なテクニック。1回のボケで2度美味しい、新しい漫才の形を見せつけた。4分という短い時間、「M-1」という内容が注目される場で、客の注目を最大限活用した漫才だった。

 

漫才の作り方は、テーマを決めてから「普通」を明確にする。笑いは普通とのズレで生じるため、「普通」からの派生で起こる。普通のパターンをたくさん用意する。これと同時進行で、どのようなツッコミをするのか(できるのか)を決める(判断する)。そして一番自分たちが面白いと思うツッコミを際立たせるための細かなボケ・ツッコミを考える。細かなツッコミを際立たせるためのボケも何か模索する。一度形になったらそれを自分が客の立場で見てみる。できれば分析もする。始まってから掴みまでの時間はどれほどか、それまでに退屈と感じないか。キャラ作りは適切か。ツッコミは際立っているか。分析のできる他の人に頼むのも効果が高いだろう。